ゴーマニズム宣言の感想

(第170章〜第174章)

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mark 『第170章 親米女と親米男の「親」の実態』
(「SAPIO」 7月24日号)

今回は、親米の「親(しん)」の実態について。8ペ−ジ。

…でも、最後まで読んでも実態が何なのか良く判らなかった^^;。

まず、ワールドカップネタ。書籍の売上で、「ベッカム」に勝った事で大喜び。

しかしワールドカップちゅーもんが、 こんなにも長い期間続いて、 国中、サッカー、サッカーと 騒ぎ続けるもんだとは 知らんかった。 もう、うんざりしてしまった。
以前は、スポーツと「愛国心」とを結び付けて考えていた小林(
第74章第127章)ですが、考えが変わって来たようです。

ファンの女の子に誘われて、外人向けクラブへ行った話。

媚と拒否。
決して 嫌われたくない けどイヤ。
どんなにイヤでも 媚態を示し続ける 日本人の親米女。
その、おぞましさに わしは吐き気がした。
「媚と拒否」というキーワードの意味がいまいち汲み取れない。「NOと言えない日本人」とほぼ同義かな?。

その女は、その場に 突っ立って、 いつまでも 手をふっていた。
いじらしいくらい いつまでも、 手をふっていた。
戦争論』第15章「痛快な戦争体験」、『戦争論2』最終章「カミの国は 死者の国でもある」で、紹介された高村武人氏(第82章)の最後のシーンとシンクロナイズしている。

馬鹿な女だ。 どうしようも ないほど 馬鹿な女だ。
男に尊敬されて 愛されることを 知らないままでいる。
軽蔑されて 抱かれていることに 気づかないのか?
多分、自分が 尊敬されるに 値しないと 思いこんでいるの だろう。
だから 哀れなのであるが、 わしは、あんな女にまで 責任持ってやる わけにはいかない。
この後、小林は、「外人(アメリカ人?)に媚びる女」と限定的に話を進めるのだが、男(日本人も含む)に媚びて、NOと言えない女性なんて、いくらでもいるでは?。

それを、「外人に媚びる親米女」と無理矢理矮小化しているように感じる。

媚と拒否。
「親米」と、 どうしても 言いたがったり
本心には 「反米」があるが、 アメリカを批判 すべきじゃないと 言うやつらに…
わしが、どれほど おぞましさを 覚えているか、 わかるか!?
とても個人的な感想を、格好付けて述べています^^;。

強引な外人のくどきにも、 NOならNOと、 はっきり拒否できる 凛とした日本女性ならば、
伝統的な「大和撫子」のイメージとは、若干違うようですが…。

今回のゴーマン
軽蔑されても 決して嫌われたくないと、 媚態を示し続ける 「親米」派と、 仲良くなんか やっていけるか!

ごーまんかましてよかですか?
外人と親しいことに ステイタスを感じる 哀れな女…
アメリカと 親しいことに ステイタスを感じる 哀れな男…
そんなやつらの 面倒見るヒマがあったら、 わしは一人で やった方が早い!

(柱の言葉)
・ 「イエローキャブ男の「軽蔑されても嫌われたくない」という屈折した媚態を白日の下にさらしてやる!
柱の言葉は、編集者が書いていると思うのですが、何かやたらと偉そうです^^;。

(おまけ)
欄外情報。
・ 『わしズム』 VOL.2、7月25日発売決定!。業田良家、真打登場!。
・ 「中島みゆきの「地上の星」の息の長さは凄い。何年も、ずっと売れ続けている。けど、わしの『戦争論』だって凄いよ。ずっと売れ続ける本なんだよ。
…何が、言いたいんだか^^;。



mark 『第171章 偽善者覚悟でパレスチナ問題を考える』
(「SAPIO」 8月7日号)

今回は、イスラエルとパレスチナの問題について。8ペ−ジ。

アメリカだろうとイスラエルだろうと パレスチナだろうと、 そこが自分の故郷でもないくせに 他国を自分のアイデンティティーにしてしまう 日本人なんか、大嫌っいだ。
逆に言うと、小泉八雲のように「親日派の外国人」も嫌いなのだろうか?。アメリカの「徹底した合理主義」が好きな日本人も、日本の伝統美に心打たれる外国人も居るだろうに。
「悲劇の民族ユダヤ人」というだけで、安易に同調するというのは、確かに薄っぺらい行為ですが。

身近な人間には 冷酷なのに…
地の果ての民には 同情する。
そんなわしって 偽善者に 違いない。
そもそも パレスチナ問題なんかに 関心を持ってる日本人は、 すべて偽善者なのだ。
確かに。

(略)イスラエル人の 「入植者」を 入れ続けていた。
(略)その「入植者」を指して 「イスラエル市民」を、 テロから守るためという 口実で軍事制圧し、 パレスチナのインフラを 破壊してしまっているのだ。
考えて見れば、このやり方は、アイヌの土地である蝦夷を占領した江戸幕府や、インディアンの土地を奪ったアメリカ人と同じ、古典的な方法ですね。

ロシアが北方領土を 返還しないのと 同じこと。
韓国が竹島を 占領しているのと 同じことだな。

イスラエル(アメリカ)VSパレスチナ(アラブ諸国)という、代理戦争の構図。アラファト自治政府の腐敗。

アラブ人ってのは 何でこうも 「公」がないのだろう。
日本のように、作物や水が比較的豊富にあり。海の上に国境線がある土地に住んでいる民族には、様々な思惑が複雑に絡み合うパレスチナ問題は、確かに理解しにくいですね。

しかし、今後日本も好むと好まざるとに関わらずに、「様々な思惑が複雑に絡み合う」国際世界に巻き込まれる可能性が高い以上、パレスチナ問題は、重要なケーススタディかもしれません。

E・W・サイードに 1つだけ違和感を 覚えるのは、
パレスチナ人の 自爆攻撃は、 イスラエルの 弾圧の口実を 与えるもので 何も生み出さない という主張だ。
わしは それは違うと思う。

最後の抵抗手段−自爆テロ−によって、世界に訴える効果があるという主張。確かに、そういう側面はあるだろう。
チベットにはそれが無い為に、世界から忘れられているという主張。

下衆な者は、自爆テロを する少年・少女を、 金をもらってやったとか、 妊娠してたから やったとか、 洗脳されてたとか、 色々、プロパガンダするだろう。
「犬死に」…戦いのための 人の死を、そう呼んで 貶めるやつはかならずいる。
我が日本の特攻隊にも、 クスリを使ってやったとか、 身体を座席に しばりつけられていたとか、 軍部に洗脳されていたとか、 色んな説がサヨクから 出されていた。
最後の抵抗手段−特攻−して、それを世界に知らしめたとして、果たして世界の同情を得られたのだろうか?。結局は、「玉砕」という結果でしたね…。

今回のゴーマン

ごーまんかましてよかですか?
イスラエルの人々は、 自爆テロへの恐怖から シャロンの軍事制圧を 容認している。
「自爆テロをなくせ」と アメリカはアラファトに 厳命するが、 それを実行するのは 不可能である。
なぜなら、イスラエルによる 軍事占領こそが 根源的問題であり、
「占領状態を終結せよ」と、 アメリカはイスラエルに 厳命しないからだ!
鶏が先か卵が先か。疑心暗鬼、相互不信が根幹にあるので、解決はなかなか難しいでしょうね。さらに、イスラエル寄りのアメリカ。絶対に、そんな事は言わないでしょうね。

(柱の言葉)
・ 「パレスチナの自爆テロは本当に犬死になのか?その意味を考え抜かねば世界の真実は見えない!
結局、最後は「地の果ての民」から日本に戻って来るのね^^;。



mark 『第172章 日本人の魂・終戦自決烈士』
(「SAPIO」 8月21日・9月4日合併号)

2本立て、1本目。敗戦直後の自決者について。8ペ−ジ。

わしズム』の原稿もあるのに、さらに2本立て。凄過ぎる。



今回の「物語」は、三島由紀夫の名作『英霊の声』を思い出しました。

小林の主張も、三島の『文化防衛論』に近くなって来てますしね。

三島も、敗戦の25年後に割腹自殺しています。彼も「終戦自決者」の1人に加えてあげてください。(丁度、600柱となる。)

何にしても今回の話は、私にとって『英霊の声』同様、物語として「名作」になりました。


「美しい薔薇には刺がある。」 彼の文章の美しさの陰に隠れた思想の毒は、いわば必須の物だったのでしょう。




今回のゴーマン
彼らの精神は その自決の瞬間に、 結晶化して、もはや 変節することはない。 彼らは、 護国の鬼となって 靖國に居る。
ごーまんかましてよかですか?
8月15日だからこそ、 敗けた戦だからこそ、 我々は、彼らの悲しき命を 思わねばならない。
我が国の首相は その日に靖國には行かぬと言う。
そして靖國に代わる施設を 作ろうという動きもある。
50数年前、我々の祖父たちは、 あまりにも我が国を愛した青年で、 今の我々はその思いの一端にすら 触れることはできないだろう。

(柱の言葉)
・ 「敗れてなお戦った者がいた。死んでも守らねばならぬものがあった。8月15日、彼らに深く思いをいたそう。



mark 『第173章 反米という作法』
(「SAPIO」 8月21日・9月4日合併号)

2本立て、2本目。反米について。8ペ−ジ。

自分の同胞が、自分のおやじと あまり年の違わない世代の 兵士たちが大量に撃たれ、 空襲で一般市民が 焼かれたことを考えると、
感情ではなくて、むしろ マナーとして、アメリカ人とは 一定の距離をおいてしか 付き合えない。
それから、アメリカの あのやり口に対しては、 やはり一定の批判精神を 絶やさずに持ちながらえたい という、マナーとしての反米 というのは僕の場合、 ずっとあったんです。

読者は 甘やかしてはくれない。 ただし、わしの場合 読者を甘やかさない。 そこが市場に阿る 商売人と違うところだ。 わしは、未だに 成長し続ける。
読者がついて来れないんだ、 と思ったら置き去りにする 覚悟もある。
しかし逆に、 何が何でも、わからせるという 執念も持っている。

わしに批判されて 狂っちゃった知識人は、 あまり良い家族や 友人に恵まれてなかったり、
孤独な人間だったのかもしれない。

「こいのぼり」は 父親が一番上で 父権主義だからダメ
「節分」は、 宗教的な儀式で 信教の自由に 抵触するからダメ
「ひなまつり」は 身分の上下や 男女差別がある からダメ。
運動会の かけっこは、横一列 手をつないでゴール。
騎馬戦は 男女混合ならOK。
朝礼の並びは 背の順は差別。 50音順にすべし。
男女別名簿はダメ。 50音順にすべし。
通知表は 相対評価はダメ。 他人をけおとす 他人と比較して 優劣をつけるのはダメ。
絶対評価にすべし。 自分の中だけで 目標に近づくべし。
日の丸・君が代はダメ。 思想・信条の自由に 抵触する。
教壇なんか あっちゃダメ。 民主的でない。 平等にすべし。
トイレに行くのに 許可を求める 必要はない。 自由に行くべし。
女の子は ピルを使えと 性教育で教える。
その方が 女の権利を守れる。

…そして アメリカなのだ!
アメリカも 左翼国家なのである。
歴史の蓄積の無い「実験国家・人工国家」=「左翼国家」という定義らしい。この定義には、無理があるように感じますが。

戦争することに よってしか、ごまかせなくなった 社会の数々の矛盾を、 歴史は止揚(アウフヘーベン)して 革命が起こる、というのが、 マルクス主義の考え方だ。
だから 本来ならば、 資本主義が、とことん 進んだ国のほうが、 共産主義革命の 条件が整っている、 ということになる。
これは、元漫画家で唯物論者の青木雄二さんも繰り返し述べている理屈ですね。「社会の進化の必然として、労働者階級の革命が起こる。」

共産主義は、所詮机上の空論。絵に描いた餅。社会主義国家樹立の「実験」は、壮大な無駄であった。という意見もあると思いますが。人類の発展も、トライ&エラーの繰り返しだとするならば、失敗も無駄では無いと考える。

資本主義社会も、同様に「実験中」ですしね。

小林にとっては、そういう「実験」によって取り返しのつかない「伝統の破壊」が起こると考えており、「実験」を全否定している。「保守」の「保守」たる所以か。

アメリカの、あの 資本主義の矛盾の 「外部」への先送りを 加速度的に進めている ヒステリックなやり方の先には、 一体、何があるのか!?
おそらく、 世界の野蛮化 だろう。
歴史は 進歩しない。
むしろ、後退して 野蛮化する。
マルクス主義の進歩史観に、真っ向から反論しています。「歴史は進歩しない」。

私も、地球温暖化等による気象変化。地球規模の人口爆発。もちろん、アメリカの強権的対外政策などによって、紛争が拡大。日本が巻き込まれる…という「野蛮な時代」の到来の可能性はあると考えます。

…それ以前に、日本の政治が「野蛮化」。内部から自壊して、そのまま沈む。という可能性もありますが^^;。

今回のゴーマン

ごーまんかましてよかですか?
近代主義に対する 批判が出て来ぬような バカな知識人は 見捨ててしまえ!
わしが、日本を守る 本当の戦い方を 見せてやる!
ストーカーのように、日本を愛してしまっているのね^^;。

(柱の言葉)
・ 「これからの日本人が身に付けるべき思想のマナーとは何か!『反米という作法』にその答えがある!

(おまけ)
応援レター。
・ 「(前略)京都で足がしびれた由、(後略)
京都ではなく、奈良です。



mark 『第174章 無知で下品なテレビ司会者たち』
(「SAPIO」 9月25日号)

テレビ批判。8ペ−ジ。

『ニュースステーション』批判。
『サンデープロジェクト』批判。

電波は公共のもの だという。
ニュース番組は 公平なものだと 人々は思っている。
だが、実は 公共も公平も ありはしない。
テレビはタダで、 無防備な茶の間に 飛び込んでくる 洗脳電波である。
新聞もテレビも、「公平・公正ではあり得ない」という主張には同意。
むしろ、そういう幻想を持たない事が求められる。メディア・リテラシーの基本だとは思うが。

「電波系卑怯者」 この称号を しょくんらに与える。
小林の新しい造語。語呂も悪くない。

さあ、 電波系卑怯者の しょくん!
戦後7年間も 事前検閲した GHQの遺産を 守りぬけ!
国民を 洗脳できる!
国民を騙し、 操ることが できる!
それが きみたちの 信念だ!
『ゴーマニズム宣言』も、同じような信念に基づいて活動しているように見受けられるが…!?。

今回のゴーマン

ごーまんかましてよかですか?
電波系卑怯者の 謀略を見抜き、 語り伝えよ!
やつらは 電波で一挙に 数百万人の脳に 侵入する。
やつらこそ、この国の 真の権力者なのだ。
我々の伝達手段は、 口コミしかないぞ!
口コミも、侮れないのです。

(柱の言葉)
・ 「イデオロギーをプロパガンダするための洗脳電波−−それがこの国のテレビの正体だ!

(おまけ)
北朝鮮・邦人拉致事件 について。


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