幻冬舎刊。
128ページ丸々、小林よしのり同人誌。面白過ぎる!。
小林よしのりの描き下ろし漫画だけで、60ページ。大満足。
これで、税込700円は安い。
副題 「漫画・音楽・思想。日本を束ねる知的娯楽本。」
表紙煽り文句 「小林よしのり責任編集長。」
出版不況から、確実に固定読者を持っている作家に「編集長」になってもらい雑誌を発行するのがブームですが、逆に言えば一定の部数さえ売れれば何をしても許される訳で、自主規制や編集長との方針で揉める事も無い訳で、かなり好き勝手出来る事になります。
デメリットとしては、ブレーキをかける人間が居ないので、同人誌と同じような自己満足だけの物になってしまう危険性もありますが。それも、又良し。
● 「わしズム巻頭言」 わしは如何にして編集長となりしか?
小林よしのりの漫画。
自伝を交えての、『わしズム』発行の弁。20ページ(カラー8ページ、2色12ページ)。
小林の子供の頃から現在までの写真を順次載せていきながら、小林が漫画家としてデビューして、現在に至るまでを紹介。
中学生の時に作った同人誌「きまぐれ」。石森章太郎の影響を強く受けている。
「緒論」
「漫画を作り こなすには」
「漫画の意義を 十分に 会得する事が」
「肝要となる。」
「その意味を 判然しないため」
「すぐれた作品も」
「方針を 誤まることも 珍らしくない」
「表紙をめくると、 えらそーに巻頭言がある。 漫画本なのに こんな意味不明の文章から読ませようというのが、 まったく恥ずかしい。」
「わしの 好きなもの…」
「わしの 嫌いなもの…」
「わしの 大事なもの…」
「それは… それは…」
「? ?」
「実はわしは、 あまりモノには 興味がない。」
子供の頃に、自転車を買ってもらえなかった思い出。
私も、子供の頃、自転車を買って貰えなかったが、友達とサイクリングにも行けずに辛い思いをしたものである。
当時は、自転車は高価なもので、持ってる友達も少なくて、特別必要なものではない贅沢品だったのだろう。
「この経験以降、 わしはモノに 執着しない 性格に なってしまった。」
多分、持って生まれた性格だと思う。
ストーカーは、人や物への執着を捨てられない人間であり、親も何でも買い与えるのではなく、執着をなくす訓練も必要ではないか?と説く。
「わしの 大事なもの…」
「それは 「信頼」である。」
「現実の社会は、 信頼崩壊の 時代である。」
「一度、崩壊して バラバラになったものは、 なかなか束ねられる もんじゃない。」
「家族を、そもそも 父親が束ねられない。」
「信頼を喪失した 孤独な者たちが、 少しずつ精神に 異常をきたしながら、 社会に漂っている。 発狂水位は、上がっている。」
「そんな時代だから、 わしは「束ねる」ことに 挑戦したい。」
一昔前なら、非常な抵抗が予想される言葉だが、なんとなく納得してしまう自分が怖い^^;。
「わしは わしの価値観で 「束ねる」ことに 挑戦する!」
「だから、この本は 『わしズム』である!!」
「わしは この本から 「信頼」を 再構築する ことに 挑戦する!」
● 「断崖先生」
みうらじゅんの漫画。「断崖先生」のモデルは、小林よしのりかな?。
主張1。
『第二次世界大戦』の表記を『愚か世界大戦完結篇』に変えろ!
主張2。
修学旅行で仏像を見るのは廃止。「見仏」は、70歳を超えてから!
少し、ズレてるね…。
● 「夫婦の絆」
小林よしのりの漫画。24ページ(カラー8ページ、2色16ページ)。
何故、夫婦でいるのか分からなくなった(記憶喪失?)男と、その妻の物語。
『どとーの愛』(小林よしのり)に、似ているような似てないような。
とにかく、今後の展開が全く読めない。
映画『トゥルーマン・ショー』のように、この町全体が作られた世界で、周囲からの情報操作によって、本人の人格(考え方・感じ方)が規定される。というマインド・コントロール(人格操作)の恐怖を描いた作品かも…しれない。
「オレは、だれかに 管理されたかった のである。」
「そうとも 夫婦で 管理されるのは、 あくまでも 夫の方なのだ。」
● ザ・プロフェッショナル対談「漫画論」
小林よしのりと秋本治の対談。13ページ。
「少年ジャンプ」同期生としての、漫画論が中心。
思想的な話はほとんど無し。
「世間的には「小林よしのりは昔ギャグ漫画を描いてたのに、急に変わった」と思うかもしれないけど、変わったどころか、ずっと同じ路線を歩いてる。」(89ページ)
という秋本治さんの言葉が至言である。
● 『ゴーマニズム宣言EXTRA』 第1章 「下関クジラ会議に注目せよ」
小林よしのりの漫画。
なんと!「ゴーマニズム宣言」番外編。しかも、増16ページ(単色)。
この旺盛な創作意欲は何処から来るのだろうか…。
初回の話題は、捕鯨問題。『新 ゴーマニズム宣言』では、扱えないようなテーマを掘り下げて行くつもりのようだ。
なにしろ、季刊だもんね。
「『戦争論2』の第17章 「過去を裁く現代人の驕り」は、 パロディ・ギャグとしてウケた。」
確かに、「従軍慰安婦問題」を「国と国との情報戦」として捉える事に抵抗がある人でも、「捕鯨問題」を「情報戦」として捉える事には、異議が無いと思いますし。分かり易いしね。
「「反捕鯨国」にとって 環境団体は選挙の際の 票ヅルである。 だから国と環境団体は 結託している。」
「環境団体は 「捕鯨反対キャンペーン」 で得られる 寄付金などの収益を 失いたくない。」
「そして日本が 海から食糧を調達する 道を断ち、 日本が食糧輸入に 依存する度合いを 高めるように仕向けるのが、 彼らの狙いなのだ!」
そ、そうだったのかぁ〜!。
ネタが足りなかったのか、3ページ半脱線。
食犬の風習のある韓国の話を絡めようとして失敗したのかもしれない^^;。
海の生態系を保つ為にも、鯨の乱獲にならない程度の捕鯨は必要である。
「アメリカ・イギリスなどの アングロサクソン「反・捕鯨国」は、 自国の食文化による 環境破壊には目をつぶり、 日本の捕鯨を やめさせようとする。 そして、その行為によって 海の生態系も 破壊しようとしているのだ!」
家畜は食べてよくて、野生生物は保護すべきという主張。
「きみょ〜〜〜〜〜〜〜〜な 言い分だ。」
「黄身ょ〜〜〜〜〜〜〜〜だ。」
全く、奇妙な言い分だ。
「人間は、他の命を食らって生きている。」という認識の欠如から来ているとしか思えない。
「クジラが かわいそうなんて 偽善である。 家畜のほうが 断固、 かわいそうだ!」
家畜よりも、食べられもしないのに、見世物にされる為だけに連れて来られた動物園の動物の方が、可愛そうかも。
「日本の海洋資源を 封鎖して、 アメリカからの 食糧依存国家にし、 経済も人口も 制御する企みなのだ。」
「やつらは、 クジラの次は マグロを キャンペーン用 動物として 狙っている。」
経済も人口も制御…、ホンマかいなとも思うが、そこまで考えてやっているとしたら、能天気な日本人には勝ち目が無さそうですなx_x。
今回のゴーマン
「開国以来、 日本とアメリカの間には、 クジラの問題が 横たわっている。」
幻冬舎刊。162ページ。900円(税込)。34増ページ、200円増。
小林よしのりの描き下ろし漫画、72ページ。12ページ増。
副題 「漫画と思想。日本を束ねる知的娯楽本。」
音楽が外された。
● 巻頭言「天籟」 小林よしのり
天籟(てんらい)……「天然に発する響き、風が物にあたって鳴る音」の意。らしい。
タイトルとは打って変わって、内容は過激である。Vol.1への批判をねじ伏せ。人格と内容が乖離していると知識人を批判。『噂の眞相』に対して「下半身と人格は別である」と反論していた頃が懐かしい。
『葉隠』から引用
「『武士道は死狂ひなり。一人の殺害を数十人して仕かぬるもの。』と、直茂公仰られ候。本気にては大業はならず。気違ひになりて死狂ひするまでなり。又武士道に於いて分別出来れば、はや後るるなり。忠も孝も入らず、武士道に於いては死狂ひなり。この内に忠孝はおのづから籠るべし。」
死に物狂いらしい。最後まで、余裕は持った方が良いと思いますが…。
● 『ゴーマニズム宣言EXTRA』 第2章 「現代戦争論 -これから起こる戦争に備えて-」 小林よしのり
40ページ。前回16ページよりも、24ページ増。しかも、単色から2色になっている…。凄い。
内容は、非常に密度が濃い。これからの世界情勢と日本がどのような立場に立つべきか。理想と現実(リアリティ)の問題。
一つの思考実験、思想として非常に面白かった。
今回のゴーマン
幻冬舎刊。178ページ。900円(税込)。16増ページ増。
小林よしのりの描き下ろし漫画、56ページ。Vol.2の72ページより、16ページ減。小林の漫画主体の構成から脱却を図っているようだ。
副題 「漫画と思想。日本を束ねる知的娯楽本。」
● 巻頭言「天籟」 小林よしのり
「ブスだって「ブスらしく」の物語を演じねばならない。」…と、相変わらず過激。
● 『ゴーマニズム宣言EXTRA』 第3章 「食から滅びる日本人」 小林よしのり
32ページ(16ページ、4色。16ページ、2色)。前回40ページより、8ページ減。
「世界で一番安い牛肉がどんな肉か想像したほうが良い」という意見には、同感。
当然、高い肉が安全だとは言い切れないが、世界一安い牛肉に問題がある可能性の方がどう考えても高いだろうな…。
今回のゴーマン
幻冬舎刊。210ページ。1000円(税込)。
幻冬舎刊。202ページ。1000円(税込)。
副題 「漫画と思想。日本を束ねる知的娯楽本。」
● 巻頭言「天籟」 小林よしのり
● 『ゴーマニズム宣言EXTRA』 小林よしのり
● 「夫婦の絆」 小林よしのり
休筆。
● 「独裁君 その2」 業田 良家
・ 『わしズム』 次回 Vol.8は、9月25日(木)発売予定。
『わしズム』 Vol.9
副題 「漫画と思想。日本を束ねる知的娯楽本。」
● 巻頭言「天籟」 小林よしのり
● 『ゴーマニズム宣言EXTRA』 第8章 「男の嫉妬−わしって若作り?」 小林よしのり カラー、12ページ。
● 『ゴーマニズム宣言EXTRA』 第9章 「戦後補償裁判の実相」 小林よしのり カラー、8ページ。
● 『ゴーマニズム宣言EXTRA』 第10章 「差別と自主規制の戦いから11年」 小林よしのり 白黒、8ページ。
豪華三本立て。合計、28ページ。
● 「夫婦の絆」 小林よしのり
24ページ(オール1色)。
● 「独裁君 その2」 業田 良家
・ 『わしズム』 次回 Vol.10は、3月25日(木)発売予定。
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