小説のページ

ここでは、私の読んできた小説の感想を書いていきます。
これから、読む時の参考になる。かな?

読書について

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ドストエフスキー
三島 由紀夫 (リンク)三島 由紀夫 cyber museum
安部 公房
マルキ・ド・サド
村上 春樹
司馬 遼太郎
橋本 治
内田 春菊 (リンク)内田 春菊ホームページ

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【ドストエフスキー】

 言わずと知れた、ロシアのそして世界の文豪です。

・「罪と罰」

 最初は、手塚治虫が漫画化した「罪と罰」を読む前に
原作を読んでおこうと思ったのがこの作品を読んだ
きっかけです。

 はまりました。

 同様にゲーテの「ファウスト」も読んだのですが
難解すぎて、はまる事が出来ませんでした。

 芸術家で、ドストエフスキーの影響を受けた人は、
かなり多いようです。青木雄二さんも、「罪と罰」
を読んで「ナニワ金融道」のヒントを得た様です。
物事の捉えかたが日本人とかなり似通っているのが、
日本人に受ける理由でしょうね。

 後、この人の作品に特徴的な事は、内面の不安や恐れが
あると直ぐに体調を崩して倒れたりする事ですしょうね。
つまり、肉体と精神は不可分のものである。という
考えに支配されているように感じる。

・「カラマーゾフの兄弟」

 この作品の序文は、世界の文豪の文章とは思えない程、
回りくどくて言い訳臭い。却って親近感を覚えた。

 内容は、神と人間の問題を突き詰めて考えた最高傑作
の呼び声が高い作品。確かにその重厚な世界観には
圧倒されます。
 「大審問官」の部分は、最初に読んだときはかなり
インパクトがあったのですが、再読時にはそれ程
でもなかった。どちらかといえば、詭弁を弄して
無理に否定しようとしている様に感じる。
 ドストエフスキー自身は、神を信じていたからだろうか?

・「死の家の記録」

 ドストエフスキーが、死刑を宣告されて死刑執行の
直前に恩赦でシベリア流刑になった時の体験記。
最初の、死刑場に向かう時の内面の描写は、
実際に死を覚悟したものでなければ書けない。

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【三島 由紀夫】

(リンク)三島 由紀夫 cyber museum

 日本が生んだ天才作家。
その才能は、努力の賜物ではなく正に天より与えられた
ものでしょう。
その流麗な文体に、私はもうメロメロです。
「美しい薔薇には刺がある。」彼の文章の美しさの
陰に隠れた思想の毒は、いわば必須の物だったので
しょう。

・「豊饒の海」

 彼の最後の著作。最終原稿を編集者に渡した日に
彼は、自衛隊の市ヶ谷駐屯地で割腹自殺しました。
彼の思想の、集大成ともいえるものでしょう。

・「金閣寺」

 実際にあった、金閣寺放火事件の真相を彼なりに
創作したもの。彼の「美」に対する独特の捉え方
が良く分かる。

・「禁色」

 彼が、いわゆるホモである事は周知の事実。
若い肉体に対する憧れ、夭折の美、老醜(歳をとる
事は、醜くなる事である。)という考えは、
そこから派生したものでしょう。
この作品は、それらが前面に出た作品です。
正直、読むのが非常に辛かった事を覚えています。
かなり、生々しかったです。

・「仮面の告白」

 三島由紀夫の名を世間に知らしめた出世作。
彼自身もこの作品に当時の持てるもの全てを
つぎ込んだそうだ。
 出だしの「私は、汚穢屋になりたかった。」と
いうシーンを読んだ時、私と感性が近いなと
感じた事を覚えている。

・「美しい星」

 宇宙人とかが出てくるSFです。異色作。


(リンク)

三島 由紀夫 cyber museum

手塚治虫と三島由紀夫

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【安部 公房】

 理数系で医師免許を持っていた安部は、
徹底的な合理主義者だったようだ。
 作品世界にそれは、色濃く反映されている。
年を取ると今までのやり方に固執するものだが、
いち早くワープロを使いこなし、「言葉を一つ一つ
構築していく小説にワープロは最適である。」
と考えていたのもいかにも安部らしいエピソード
である。一方、「ワープロは何をお使いですか?」
と聞かれて恥ずかしそうに「(NECの)文豪」
と答えたという^^;。意外な一面も、もちろんある。

・「箱男」「第四間氷期」「方舟さくら丸」「けものたちは故郷をめざす」「カンガルー・ノート」

 彼の体調が悪い状態で書かれた作品。僕は、
遺書のように感じた。ただし、悲愴な程
クールである。出だしのベッドが地下に
滑り落ちていくシーンは、似たようなシーンが
山本直樹の「フラグメンツ」という漫画に
出てくる。
 賽の河原で鬼達が歌う「お助けソング」

「オタスケ オタスケ オタスケヨ
  オネガイダカラ タスケテヨ」

が、とても物悲しく切ない。

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【マルキ・ド・サド】

 サディズムの語源になった悪名高きサド公爵。
その文学は、はっきり言ってどれも同じです。
ストーリーらしきものは一応あるが、その目的は
その合間合間にある、セックス描写にあります。
内容は、正にアブノーマルなセックスの見本市
と言った所でしょうか。
 片目、片足、乳房を失った今にも死にそうな老婆
の肛門を愛する神父等とても、まともな神経では
耐えられないような描写ばかりです。
 読むのに根性がいります。私は、通学中の電車の
中で読んでいましたが^^;。

・「美徳の不幸」「悪徳の栄え」

 サド文学にテーマがあるとしたら、美しい心は
汚される運命にある。悪は、滅びない。でしょうか。


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【村上 春樹】

「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」

 取り敢えず、厚い本を読みたくて高校の図書館で
手に取ったのが村上春樹との初めての出会い。最初の
エレベータの描写で直ぐに気に入ってしまいました。
2つの別々の話が平行して進んでゆき最後に一つに
統合されてゆく。不思議な作品。

・「羊をめぐる冒険」「1973年のピンボール」

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【司馬 遼太郎】

「尻くらえ孫市」

 中学の時に読んだ作品。高校受験の時に「今までで印象に残った
作品の読書感想を書け。」という設問があり、この本の感想文を
書いている途中で感動が蘇ってしまい、泣いてしまったのを
覚えている。純情だったのね。

・「竜馬がゆく」

 名作です。竜馬の生き様が活き活きと活写されている。

 武市半平太の家でトイレを借りずに、目の前の塀で小便をしていたために
小便臭くなってしまったと言うエピソードが印象に残っている^^;。

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【橋本 治】

 この人は、多才な人でイラストから小説から
エッセイまで、幅広く活躍していますが、
私は、主にこの人のエッセイが好きですね。

・「恋愛論」

 この人も、ホモです。
 柴門ふみ以降の「恋愛論」ブームの中で発表されたこの本。
体当たりで書かれている真実の愛。でしょうか。

・「はじめから失われなかったぬとぬとを求めて」

 エッセイのタイトル。吾妻ひでお論。

・「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ」

 主に、少女漫画の解説ですが、吾妻ひでお論にも
紙数を割いています。なかなか核心を突いている
と思います。

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【内田 春菊】

 漫画家さんです。バンドもやってますし、エッセイも書いています。
妊婦の時のヌード写真とかも撮ったようです。

・「ファザーファッカー」

 自伝。father fucker というと父親を犯したようですが、逆です。
父親といっても養父ですので近親相姦にはならないのかな?
って、そういう問題ではないか^^;

・「私が海に帰るまで」

 16〜23歳までの自伝。「ファザーファッカー」の続編。
これを読むと、彼女の男遍歴からSEXの回数、堕胎の回数まで
分かってしまう。文章から、変だと思う事をはっきり変だと言える
非常に素直な人だなという事が分かる。
 又、男がいかに馬鹿な生き物であるかも分かります。そして、女も。

(リンク)
内田 春菊ホームページ
でんこちゃんのページ

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