今回は、台湾現総統 陳水扁氏との会談の模様、前編(?)。16ページ。
(第120章よりずっと増16ページなので、今後はこれを通常のページ数とみなします^^;。)
8月2日、台湾へ再度取材旅行。
「8月2日 羽田より 中華航空で台湾へ」
「現台湾政府の 国策顧問になった 金美齢さんが 今回 案内してくれる ことになった」
今回の金美齢さんの似顔絵は、今までのものよりもあっさり描いている。今までは、もっと凛々しく描いてたのに…。
「こちらの思い入れが どんどん強くなるのに 新聞 雑誌で 情報収集してると …(後略)」
ここでも、片思いか!?^^;。
「もしそうなら わしは完全に 一人相撲である おせっかいである 内政干渉である」
「ひょっとして台湾独立なんて 昔の日本語世代しか 望んでないのではなかろうか?」
珍しく、客観的な目で周りを見てます。
「陳政権の目的が 国民党からの 独立であって 中国からの 独立ではない のならば わしの努力は 完全に 水泡に帰す わしは 裏切られる のである」
勝手に相手への思い入れを肥大化させて、勘違いだったと判った途端に「裏切られた!」と思い逆ギレする。碇シンジや子供、ストーカーに多いタイプですね。
「機内で 「中正蒋介石国際空港」と アナウンスしている」
「ファシズム独裁者の 名前がついてることに 違和感を覚える 「ヒトラー空港」なんて つけないだろう」
これは、とりもなおさず台湾人が蒋介石をファシストだと考えていない証左であろう。現在の所は。
「これでトイレに「お尻洗浄」が あれば わしとしては言うこと ないんだが ぜいたくすぎるか?」
これはイカン!!! 洋式便所を使うなぞ、日本人の魂を売り渡すような事をしては、絶っっっ対にイカン!!!! ましてや、「お尻洗浄」なぞ。言語道断。
日本人なら、トイレットペーパーを使うべき!…ん?昔は新聞紙で尻を拭いていた?その前は、葉っぱ?アジアでは、濡らした手で拭く所もある?…、いや…そこまでは…^^;。
河野洋平の腰ぬけ外交話。
「日本には取り替え可能の 「公人」政治家ばっかりだ」
「アジア大の「公」を 考えたなら 日本が統治 してた方が、 よっぽど民衆は 幸福だっただろう」
「日本が支那大陸から 引き揚げた後に 中国に「公」ができたか? できてないではないか!」
いままで、散々「「公」の最大範囲は、国家」と言っていたのに、急に「アジア大の「公」」とか言われてもねぇ…。
「蒋介石・国民党」「毛沢東・共産党」が禍(わざわい)であり地獄だから、「軍部・日本」が「マシ」って論理だろうか?
現在の政治家が「腰抜け」で「リーダーシップ」が無いのと同じで、じっちゃん・ばっちゃんの時代の政治家や軍部も、「腰抜け」で「リーダーシップ」が無かった可能性は、何故か考慮していないように思える。
「日本のじっちゃんたちは 戦争に負けて 戦後の言語空間が 戦前全否定に なってしまったから 孫たちに 歴史を伝える 戰いを放棄してしまった」
腰抜け。
「何さんは今まで 生きてきた 自分の人生の 全てが 戦時中 のような ものだった と言う」
「この人が 真の独立を 味わう姿を 見たいものだ」
過酷な人生を生き抜いてきた事には同情するが、多分何さんの心が休まる事はないでしょうね。中国との問題が解決しても。
「この 台湾人の誇りは 次の世代に 伝わっているか?」
どうでしょう?。どちらにしても、勝手に相手への思い入れを肥大化させて、勘違いだったと判った途端に「裏切られた!」と思い逆ギレする。碇シンジや子供、ストーカーのようにならない事を祈る。
自分の考えが、一方的な思い込みだと判った上で、敢えてやっている分には問題無いと考える。
「まず8月4日の 陳水扁総統との会見 から報告しておこう」
日にちが前後するようだ。
陳水扁氏の略歴。
「しかし風俗産業や ゲームセンターを 取り締まって街から 一掃してしまったため これに反発を覚える 者も多く2期目は落選」
そんな理由で反発されるとは…、台湾人も民主化が進んでいるということか…^^;。
「度胸のある男だ 考えてもみよ わしにどう描かれる かってことは 相当な覚悟が要る」
…いや、度胸があるのは小林の方だと思うが…^^;。
しかし、この自信。すごいぜ、小林!
「彼は一国の総統という身分で 一人の漫画家の前に 自分を晒したのである」
本当に、凄い。どういうツテで会見が成り立ったのだろうか。やはり、金美齢さん?。
でも、この後の会見の模様を見る限りは、陳水扁さんは単に「日本の有名人」と社交辞令で接待しただけで、台湾独立の問題を論じるつもりは無かったみたいですね。
「小さい頃は成績の悪い子は 「漫画を読んでいるな」と 先生によく言われたけれども 私はそうは思わない」
「私は台北市長の 時代に初めて 「漫画図書館」を 作ったほどです」
その割には、ゲームセンターを排除してるんですね^^;。やっぱり、リップサービスかな?
「こんなふうに 書いて 中国は なんとも 言ってこない ですか?」
「…今のセリフは… やはり 陳水扁に とって 中国は 脅威であり それは わしの身を 案じてくれる 程のものだったのだ」
^^;
「わしの知り合いの 弁護士は 危ないから用心しろと 言ってくれますが」
「わしは 中国の 覇権主義 領土拡張主義は 大嫌いだから 悪口ばかり書いてます」
わはははは、このセリフは良い。正直で好感がもてる。
「(台湾は中国との統一を望んでいないという事を伝えるのは、) むろんこれは わしが勝手に やらなければ いけないのかも しれないけど…」
小林の一人相撲になっても、勝手にでもやるつもりみたいです^^;。
「総統は相当に慎重だ 中国のことでは 口を開かないつもりだ」
「漫画のことに 話を変えようと どうしてもする」
「総統は相当」…しゃれ?^^;。陳水扁氏も、話題が漫画の事しかないから苦労しているようです。
「ふと金さんを 見たら うつむいて 何か 考え込んでる」
金さんって苗字は異常に多いので、誰だか分からないが、絵を見る限りは金美齢さんの事らしい。私は、このコマの意味する所(伝えたい情報)が、全然判らない。
うーん、2人の対談がつまらないから、他所事考えているって事なのかな?
「漫画は 戦争から 科学から 哲学から どんな難しいことでも 描ける表現だと思う」
「小林さんは 台湾の歴史を 描いてください」
うむ、小林の描く「漫画・日本の歴史」よりも「漫画・台湾の歴史」の方が、面白そうですね。
「この話の最中 時間オーバーで やきもきして席を立っていた 金さんが声をかけてきた」
「やっぱり私と 同じことを言ったわ 私は「神話」を 作ってると 言ったのよ」
このコマの意味する所も、私には読み取れない。
「確かに一国の総統が 中国とのことなど 国家戦略に関する重大事を 初対面の外国の漫画家などに 話せるわけがない 当然のことである」
わしも、そう思う。
今回のレーセツ
今回は、台湾探訪記 その2。16ページ。
メインである、陳水扁氏との会談の模様は、今回は触れず終い^^;。
「『台湾紀行』を読むと 司馬遼太郎も 似たようなことを 考えたんだなあ さすがだなあと思ったり やっぱり考え方が 違うなあと思ったり」
「まあその辺の違いは これから 徐々に 明らかになるだろう」
以降、蔡焜燦(サイコンサン)の口を借りて、慰安婦問題・創氏改名について。蔡さんは台湾名で通したが、朝鮮人は創氏改名していた。終戦を境に、朝鮮人は「Third nationals(準戦勝国民)=三国人」となり、暴虐無人の振舞を行った等、かなり偏った話。
「こんな事実を知ることが 朝鮮人に対する差別感を生むような ことになっては絶対いけないが 歴史の影の部分を何も知らない世代が 増えていくことで 「言葉狩りヒステリー」だけが吹き荒れる 日本のマスコミの現状がある中 蔡さんの時代の証言は貴重である」
そうですね。歴史の影は、隠さず明らかにすべきでしょう。自国の恥も含めて。
最近、「正しい歴史認識」。或いは、「正しい歴史教育」というものは可能なのかという事を考えるのですが、かなり難しい問題ですね。この小林の論理展開を見ても、人間の属性としてある「自分(国)が他人にした非道い事は、過小評価し或いはすぐ忘れる。他人に非道い目にあった事は、忘れない。恨み続ける。」という特性を感じます。これから完全に自由な人間っていないように感じる。右翼も左翼も鏡像関係だしね。
癒し系中年^^;の宮崎学は、「右翼でもなく左翼でもなく混浴だ。」そうですが^^;。
以下、台湾のハイテク工場地帯サイエンスパーク見学。安い労働力と高い学歴のエリートを武器に世界のパソコンシェアを脅かす存在になっていると説明。
「台湾の若者の上昇志向 成功への意欲 金持ちへの憧れは 非常に強い」
「もちろんまだ 近代化に 踏み出した ばかりの 若い国だから というのも あるが…」
そうですね、丁度日本の高度経済成長期に似ていると思う。働きバチ、過労死、右肩上がりの成長、バブル、明るい未来予想…。
ここで、小林は日本人と台湾人の気質の違いを幾つか挙げる。
台湾人 → 超高学歴主義。日本人 → 「ゆとり教育」で、知的レベル低下。
台湾人 → 上昇志向。拝金主義。日本人 → 目標が無い。お金が絶対価値ではない。職人気質
台湾人 → 会社への帰属意識が低く、ベンチャーを起こす。日本人 → リスクを避けて、地道。
超高学歴主義は、中国の「科挙」を引いて批判的に表現。でも、この説明だけでは以前の日本の学歴主義と塾でやっていた事とどこが違うのかわからん。というか、まったく同じではないのか?
「これはもう 日本が台湾に残した 「教育」の必要性とは かけ離れたものになって いるのではないか?」
中国の影響=悪 で、凝り固まってる感じ。しかも、日本の影響=善 だし。
「台湾社会では 大学教授が 目の仇にする漫画家 大学教授と一緒に 歴史教科書を つくる漫画家などは 生まれようもないだろう 小林よしのりほど 日本社会の自由さと 寛容さを象徴する 存在はない!」
そうかな?数年前の日本と、今の台湾は同じ位置だと思うし、手塚治虫級の漫画家が出れば、数十年後には生まれる可能性は無きにしもあらずでしょう。
以降、日本人の地道さ職人気質が、低学歴ながら世界シェアの技術を生んできたという「物語」。欧米人の「日本人は猿まねばかりで、何も生み出さない」という「物語」に対する、反論ですね。
「ビル・ゲイツが スピルバーグが ルーカスが日本のゲーム機に 脅威を抱くように…」
「日本のポップスが アジアを席巻して しまうように…」
「日本のマンガが 欧米では「MANGA」で 通じるくらい 世界に抜かれることのない 表現に育ったように…」
「日本には 「趣味人」を認める 文化が昔からあった」
アジアで、日本のアイドルや音楽がヒットするのは、戦後日本でアメリカ文化のロックやハリウッド映画、マクドナルド、コーラなどが若者に熱狂的に受け入れられ、憧れを抱かせた事と相似形だと思う。豊かな先進国の見本。同じ黄色人種という親近感も確かにあるでしょう。高下駄靴も、向こうで流行してるみたいですしね。キックボードや顔黒も、真似するようになるんでしょうね。胴長短足のアジア系民族には真似し易い?^^;。
マンガ、アニメは、アジア圏の方が欧米に比べて「受け」がいいみたいですね。風俗や感性が近いからでしょうか。
ゲームは、デジタルなせいか、あまりアジア圏と欧米とで差が無いみたいですね。
「台湾は アメリカと 中語に 両側から 引っ張られて…」
「伸び切った 中心部分に 日本精神が 乗っかって どちらが 手を離すか ひやひや してるだけ なのでは ないだろうか ?」
「どちらが 手を離しても 日本精神は どこかに 弾け飛ぶ だけなのでは ?」
あくまで、気にしているのは「日本精神(ニップン・チェンシン)」なのね…。
で、ここでいきなり爆弾!
「10月11日 新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 『台湾論』を緊急発売する!」
「李登輝の10月末 来日を実現させる ために 必死で 掻きおろしてたんだ」
「李登輝との再会 金門島の現在 台湾人の真の願い 台湾の歴史など 膨大な描きおろしを加えて 台湾から日本を見る!」
第124章の欄外情報で書いていたのはこれの事だだったんですね。
多分、第120章以降の台湾編も収録するのだろうが、それにしても相当描き下ろさないといけないだろうに、この短期間で描き上げるとは…。恐れ入りました。小林よしのりの創作意欲はまだまだ尽きそうにはありません。
今回のゴーマン
「台湾には 李登輝がいる」
「筋金入りの 独立派もいる」
「そして 新しい教科書で 育つ 明日の台湾人もいる」
今回は、台湾論とオリンピックとナショナリズムについて。縮小8ページ。
今回のゴーマン
「朝日は他者性が 欠如しているのである 世界において 他者が存在することを 許容しない」
今回は、教科書検定に「不合格工作員」が潜入したという「妄想」について。縮小8ページ。
完全に今回は、特定団体の機関紙(アジビラ)に堕していますね。こういうものが、雑誌のページを使って行われているという事が新鮮^^;。
実名を挙げて特定個人を糾弾。「つくる会」に有利なように話を持っていきます。
しかし、ついに「非国民」という言葉が出てきましたね。「非国民」ってあんた…^^;。
今回のゴーマン
今回は、「道徳」について。縮小8ページ。
「『台湾論』がすでに 24万部を越した」
売れてるようです。私も買いました。
そして、「教科書検定」秘密工作陰謀説。
「もっぱらマスコミは 中川官房長官の 愛人問題を暴いて 中川やめろと騒いで 辞任に追い込んだ」
「一方で複数の女との セックスライフを 自ら暴露していた 田中康夫は 長野県民に選ばれ ペログリも続けろと マスコミに 面白がられている」
…状況が、面白くないようです^^;。
「隠している プライバシーを 暴かれたら 「不道徳」で 自ら プライバシーを 露出したら 「情報公開」 日本では 露出狂の方が 「道徳的」らしい」
小林も、「おぼっちゃま君」の授賞式で「以後は、このような下品な漫画は受賞させないようにしたい」と嫌味を言われて、「今後も、大人が眉をしかめるような下品な漫画を描き続ける」と宣言したのにね。その気概の延長線上で、「教科書作成」に関わっていると思っていたのですが、どうも変節してしまったようです。
その後、世間に氾濫する「不道徳」を嘆く。
「「ケータイ音が どこででも 鳴り出すマナーの下品さ」を わしが威厳をつけて叱ったのに それが仕事に必要な連絡 だったから 立つ瀬がなくなった」
携帯電話を「ケータイ」と書くのに意味あるのかな?
「こうやって ケータイの利便性が 人間関係の 節度やたしなみ といった美意識を 崩壊させていく」
技術の進歩。生活環境の変化によりマナーや道徳が変わるのは、当然である。
私が子供の頃は、電話料金(特に長距離)が高かったので「電話では、用件のみ。無駄話はしない」というように教えられました。しかし、今後、例えばアメリカのように「市内料金は時間によらず一律料金」等と言うようになれば、状況は変わってくるでしょう。
というか、それ以前の日本には「電話」自体無かった訳だしね。江戸から大阪へ飛脚で手紙を運んでいた時代の道徳と、電報で連絡をとっていた時代の道徳、家庭電話の時代から個人電話の現代の道徳とでは違って当然。
もちろん、現代は技術や人々の内面の変化のスピードが速く、親と子では生きている環境が全く異なってしまい、ディスコミュニケーションがひどく進行しているという問題はあるのですが、それを「時代を逆行させる」という解決方法でなんとかしようとする小林のアプローチ自体に違和感を感じる。
「…ステロタイプなスローガンを 掲げることで済む事態ではないのである」
「しかも 道徳を語る者は 大概 うさん臭い やつだったり…」
「自分自身の 不道徳さを 棚に上げて いたり…」
「自分の不道徳さに 気づいてもいない 厚かましい奴 だったりするから 用心しなければ ならない」
判ってるようですね^^;。
「「道徳」も「倫理」も共に「慣習」という 概念を含み込んでいる」
「つまり人々の間に法律以外に 信じられる価値基準 暗黙のルール というものは 結局 先人たちの営みの 積み重ねから来ているのだ」
積み重ねなのは、そうでしょう。それを、いかに固着させずに柔軟に時代に合わせられるかが問われていると思う。
「先人たちの営み… 国民の歴史を 否定することから 道徳の崩壊が 始まっている」
その意味で、否定から再構築される道徳ももちろんあると思う。「否定」を否定してはいかん。
「最も不道徳な輩は 国民の歴史教育を 中国との外交のために売る 日本の漢奸どもだ!」
もう、小林の中では決定事項になってますね。「漢奸」ね…。
「日本国内の“ご注進”左翼運動家 →韓国マスコミ→朝日・毎日新聞 →中国共産党→政治家→外務省 →検定工作員」
判り易い、図式^^;。
今回のゴーマン
「今 日本の歴史を封じ込める 包囲網が敷かれている」