北朝鮮
日朝平壌宣言
【概要】
平成14年8月30日
小泉首相、北朝鮮訪問決定を公表。あまりにも突然の出来事。
平成14年9月17日
小泉首相が政府専用機で、北朝鮮・平壌(ピョンヤン)へ。
金正日(キム・ジョンイル)総書記と日朝首脳会談。
北朝鮮、邦人拉致の事実を認める。
不審船も、北朝鮮の工作船であった事を認める。
拉致邦人の安否を公表。8名死亡、4名生存。衝撃的なニュース。
小泉首相、日朝平壌宣言に署名。日朝国交正常化交渉再開が決定する。
平成14年9月18日
国内、日朝国交正常化交渉再開に賛否両論。
外務省の「死亡日」隠し疑惑などに、拉致被害家族猛反発。
(所 見) 2002.9/22
・ 正直、北朝鮮側が「拉致」を認めるとは思っていなかった。
逆に言えば、それだけ追い詰められているという事。
問題は、ここで国交正常化が進むと、金正日体制が延命されて
しまい、北朝鮮の国民達がいつまで経っても浮かばれんという
事態になってしまう可能性が高いという事。
しかし、「窮鼠猫を噛む」。武力で内政に干渉するリスクは
余りにも高い。
一番良いのは、北朝鮮内部で「革命」が起こるか、金正日自ら
政権を降りる事。でも、一度権力の味を知ったものが簡単にその
権力を手放すとは思えないしねぇ…。
こう考えると、明治維新の「大政奉還」は本当に奇跡的な事
だったんだと改めて思う。
北朝鮮崩壊には、「北朝鮮からの難民受け入れ」というアイデアもある。↓
北朝鮮を崩壊させる道
北朝鮮「金王朝」打倒のためになすべきこと(2002.10.4追加)
2002.9/22
・ 首相の突然の訪朝は、あまりにも不自然。小泉首相が、当初から
「拉致問題の解決なくして日朝国交正常化はあり得ない」と明言して
いる以上、今となっては北朝鮮側が拉致を認めることを事前に知っていた
と考えるほうが自然だろう。
・ しかし、北朝鮮の体質からして、当日になって急に翻意する可能性も
あるため、釘を刺しておいたのだろう。
逆に言えば、「拉致」さえ認めれば「日朝平壌宣言」調印するという
密約があったのだろう。
・ 当然、拉致邦人の安否情報も事前に知っていた。
その上で、「日朝平壌宣言」の草稿は書かれたと考えるのが妥当だろう。
・ この経緯は、私は認める。わずか数時間の首脳会談で物事が決まる訳がない。
事前の根回しと、密約。首脳会談は、通常それを形にするセレモニーで充分な
はずなのだ。
・ しかし、相手は一筋縄ではいかない「北朝鮮」。首相が終始不機嫌な顔
だったのは、当然だろう。国内世論が納得するかどうかも、非常に難しい。
・ 死亡したと伝えられる拉致邦人の「死亡日」を伏せていた事については、
世論の反発を避けたかった為の政治的判断だったと思う。
・ 被害者家族の「なぜ、隠すのか。そんな事では、外務省を信用出来ない」
という意見も分かる。
・ 産経新聞の「初めから、国交正常化交渉再開ありきの訪朝だったのではないのか?」
という疑問には、ほぼ間違いなくそうだったのだろうと思う。
・ その上で、私はこの場合は、小泉首相の「それならば、交渉を決裂させて
話し合いを拒否すれば拉致問題が解決するのか?」という意見に首肯く。
・ 「今まで、政府および外務省は何をやっていたのだ。問題の先送りが
8名死亡(北朝鮮発表)という結果に繋がったのではないのか」という意見
にはそういう面もあったと思う。
・ しかし、何事も結果論。強硬な手段に訴えて、日朝開戦という事態になっていた
かもしれないし、証拠隠滅で死亡が早まった可能性もある。
・ 拉致問題も、これで解決した訳ではない。政府が「拉致」と認定した
ほぼ100%確実な11名以外にも、拉致の可能性が高い邦人は100名
近くいるという。韓国人の拉致は、500名以上らしい。
・ 「拉致」が頻発した1970年代は、冷戦の真っ最中。
国力も、戒厳令下で政治経済の混乱していた韓国や、学生運動で騒然と
なっていた日本よりも、北朝鮮の方が上であった時代。
・ 早い話、「冷戦」という名の戦争状態だった訳で、その意味で
金正日総書記の「日朝関係が正常ではない時期に起こった過ち」という
認識は正しいと思う。被害者およびその家族の怒りや悲しみは察して
余りあるが…。
・ 後、在日朝鮮人に対する嫌がらせなどは言語道断。
アメリカの同時多発テロの時にも、中東系の人種差別があったようだが、
どうしてこうなるんだろうねぇ;_;。
(アメリカでは、第2次世界大戦の時は日系移民を強制収容している。)
・ それならば、「日本人が小学校に乱入して多数の児童を殺傷」したら、
「日本人に報復・嫌がらせ」する必要がある事になるのにねぇ。
・ 正に、「パンドラの箱は開けられた」。今後の交渉の進展、政府の舵取り、
世論の行方、北朝鮮の対応如何によっては日朝関係はもとより、日本国内自体
もどこに迷走するや、想像もつかない。
混迷の時代の幕開けだ…。
2002.10/12
【北朝鮮拉致報道について】
・ 北朝鮮工作員による、日本人拉致問題を「国家的犯罪」として
徹底追及する拉致被害者の家族達。
それに便乗して連日報道するマスコミ。
・ 少し視点を変えて見てみる。
・ 日本は全くの「善」で、北朝鮮は全くの「悪」。
「犯罪国家」であると言うが、日本がそんなに善なのかという事。
・ 日韓併合により、朝鮮半島から労働力として日本に連れてこられた人々は
「拉致」では無かったのか?
その時に連れ去られた家族の悲しみも、日本人の被害者家族と同等に
感じてみる事も必要ではないか?。
・ 生存者が「偉大なる金正日様のお陰で、元気に暮らしています。」と
言えば、「洗脳だ」と言う。
それならば、日韓併合時に日の丸を胸にマラソンに出場したり、
日本陸軍に志願した朝鮮人、「天皇陛下のため」と発言した人は
皆、日本人に「洗脳されていた」事になる。
・ 今のマスコミの報道には、その視点がすっぽりと抜け落ちている
ような気がしたので、敢えて書いた。
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