映画のページ 【 1998年 】

過去の映画: 1997年以前

ここでは、私の見た映画(基本的に映画館で見たもの)の感想を書いていきます
(全部ではないです)。これから、見る映画の参考になる。かな?

映画館でのマナー

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ムーラン
アナスタシア
ミステリアス ピカソ -天才の秘密-
ショムニ
世界中がアイ・ラヴ・ユー
地球は女で回ってる
マスク オブ ゾロ
鬼畜大宴会
プライベート・ライアン
SAMURAI FICTION
杣人物語
神様の愛い奴
ねじ式
プルガサリ -伝説の大怪獣-
GODZILLA
憂国
雪の女王・ペンギン・ある犯罪の話
スターシップ・トゥルーパーズ
せむしの子馬・霧につつまれたハリネズミ・話の話
アンナ・カレーニナ
プライド -運命の瞬間-
四月物語
アミスタッド
HAMLET
銭ゲバ
Kids Return -キッズ・リターン-
HANA-BI
ラブ&ポップ
虹をつかむ男 -南国奮斗篇-
TITANIC

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【 ムーラン 】

ディズニー 制作

中国の女傑伝説をベースに創作した物語らしい。水墨画の表現や、人物の造形に中華風を表現しながら、コミックメーカーなどディズニーの基本を外さないのは流石。
しかし、「アナスタシア」の方もそうだったが、敵役に深みが無く、単なる悪の化身であり精神性が全く無いのが気になる。その為に、主役の行動全てが正当化され、物語に深みが全く無くなっている。娯楽としてはこれで正解なのだろうが…。

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【 アナスタシア 】

ドン・ブルース 監督

「ムーラン」と2本立てで観ましたが、やはりディズニーの力は凄い。その差は歴然ですね。
ただ、良い線は行ってますので、20世紀フォックスには、今後頑張って欲しいです。

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【 ミステリアス ピカソ -天才の秘密- 】

アンリ=ジョルジュ・クルーゾー 監督

ピカソがキャンパスに描いている描線を裏側からリアルタイムに映し出しただけの作品。しかし、天才の仕事はそれだけで充分であるとも言える。時を越えて、芸術家の創造の瞬間に立ち会えるという事は、何事にも代え難い至福の時である。

因みに、ピカソの正式な名前は、パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・クリスピィン・クリスピニャーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダット・ルイス・イ・ピアソです^^;。

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【 ショムニ 】

一色 伸幸 脚本

宇宙船サジタリウス」の脚本を担当していた一色 伸幸さんの久々の作品。
出来は…

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【 世界中がアイ・ラヴ・ユー 】

ウディ・アレン 監督


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【 地球は女で回ってる 】

ウディ・アレン 監督

ウディ・アレンの作品は初めて観ました。ある人から「外国では、精神病は、インテリの証明でありステータスである。」という話を聞いて、ほんまかいな?と思っていたが、この映画を観て納得した^^;。
禿でチビのウディ・アレンが、「知的でカッコイイ」らしいです。自分の悩みや私生活を作品にそのまま取り入れる所は、庵野秀明監督と同類ですね^^;。

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【 マスク オブ ゾロ 】

マーティン・キャンベル 監督

典型的なハリウッド映画のフォーマットに沿った作品。それ以上でも以下でもない。

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【 鬼畜大宴会 】

熊切 和嘉 初監督作品

人は死ぬ。愛のため…憎しみのため…欲望のため…。以上。

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【 プライベート・ライアン 】

スティーブン・スピルバーグ 監督

スターシップ・トゥルーパーズ』のバグズ(蟲)が、人間になっただけ^^;。

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【 SAMURAI FICTION 】

中野 裕之 監督

私はこの監督の名前を聞いたことなのだが、ビデオクリップでは有名な人らしい。
映画を見てみると、成る程、スタイリッシュな映像が心地よい。先日亡くなった黒沢監督の映画が好きらしく、黒沢映画を彷彿とさせるような「絵」も散見される。敵役の描き方もツボを押さえている。メイン配役の演技が今一つの所はあったが、全体的に非常に完成度の高い映像作品であった。やくざの禿頭3人組や「石を馬鹿にするなぁ!」は、強烈な印象を残した^^;。

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【 杣人物語 】

河瀬 直美 監督

前作「萌の朱雀」(未見)の舞台になった、奈良・吉野郡西吉野村大字平雄に住む6家族を淡々と撮った作品。
73分と小品ながら、時間の長く感じたこと感じたこと。…ただ単に退屈だったんです…^^;。この作品を楽しむには、私はまだ修行が足りないようでした。マル。

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【 神様の愛い奴 】

奥崎 謙三 主演

…何も言うことはありません。一度その目で観る事をお薦めする。

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【 ねじ式 】

つげ 義春 原作

前回の『ゲンセンカン主人』に次ぐ、つげ義春原作の石井輝男監督作品。
いずれも、オムニバス形式。

『ゲンセンカン主人』の原作。
「李さん一家」「紅い花」「ゲンセンカン主人」「池袋百点会」

『ねじ式』の原作。
「別離」「もっきり屋の少女」「やなぎ屋主人」「ねじ式」

出来は、『ゲンセンカン主人』の方が良かった。今回は、原作をそのまま何の工夫もなくトレースしただけ。新しい発見は無かった。

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【 プルガサリ -伝説の大怪獣- 】

チョン・ゴンジョ 監督

北朝鮮版「大魔人」という評判を聞いて観た。セットが、堺正章の「西遊記」を彷彿とさせる。素朴だけど、味のある風景。ストーリも、意外にしっかりしていた。
オチは、悲劇的なもの。ハリウッド映画では絶対にしない結末ですね。やっぱり、感性が日本人と似通ってるのかな?^^;。

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【 GODZILLA 】

ローランド・エメリッヒ 脚本・監督

怪獣映画なんだから、無理矢理人間ドラマを絡める様な作りにしなければ良かったのに。あまり、楽しめなかった。

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【 憂 国 】

三島 由紀夫 原作・主演・監督

三島 由紀夫の同名小説の自主制作映画化。自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺する"予行演習" だったのではないかと言われる作品。三島の死後、遺族により回収・処分されたため 現在では見る事の出来ない幻の作品だと言われていた。

今回、新右翼の 「一水会」代表・ 鈴木邦男氏が入手したビデオテープを見る機会があった。

内容は、ほぼ原作通り。2・26事件に参加できなかった青年将校が、自らの汚名を 雪ぐために自害して果てるまでを淡々と描写。30分ほどの小品。
スタッフロールやダイアログに手書きの巻き物を使うなど、自主制作っぽい作り。
最後の割腹シーンの迫真の演技が、この映画の唯一の売り。まさに、三島美学の集大成。

因みに、「憂国」の次にビデオテープに入っていたのは、往年の GAINAX が制作した自主制作映画「愛国戦隊 大日本」でした^^;。

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【 雪の女王・ペンギン・ある犯罪の話 】

G・グレブネル 監督 他

ロシアアニメーション特集。

「雪の女王」。アンデルセンの原作の映像化。上品な仕上がり。ヒロインの活躍に手に汗握る。最後の雪の女王との対峙はちょっとあっさりし過ぎかな。

「ペンギン」。動きが…か、可愛すぎる〜。特にペンギンの赤ちゃん!手塚治虫の実験アニメ「ある町角の物語」も影響を受けてるんじゃないのかな?
字幕無しだったので、良く分からなかったけども、結構悲惨なラストのような…。可哀相;_;。

「ある犯罪の話」。騒音に悩まされて最後には切れてしまうサラリーマンの話。HNKか何かで以前見たことがあるかな?

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【 スターシップ・トゥルーパーズ 】

ポール・バーホーベン 監督

原作は、ロバート・A・ハインラインの「宇宙の戦士」。
馬鹿映画(馬鹿馬鹿しいほど馬鹿な映画^^;)です。敵のバグズ(蟲)を人型にするともっと陰惨な話になったでしょうが。とにかく人も蟲もごろごろ死にます。宇宙船や画面一杯のバグズの集団の映像は圧巻でした。
テンポもいいし、シナリオも練られてますね。落ちも、私は好きです。

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【 せむしの子馬・霧につつまれたハリネズミ・話の話 】

イワン・イワノフ=ワノ 監督 他

ロシアアニメーション特集。

「せむしの子馬」。民話の映像化。馬の動きの滑らかさは、流石。火の鳥のダンスの部分は、たしか手塚治虫にも影響を与えたハズ。

残りの短編2編は、吹き替えも字幕も無かったので内容が良く分からなかった^^;。妙な奥行きや霧の表現が不思議な作品。漫画家の江川達也が一番繰り返し見た映画が、「話の話」で、30回ぐらい見たそうです。私は、良さが良く分からなかった。…悔しい^^;。

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【 アンナ・カレーニナ 】

トルストイ 原作

丁度原作を読んでいた所なので、観た。
トルストイ、
ドストエフスキー 等のロシア文学は、人間の内面に対する深い思索が 作品のテーマになっているため、映像だけで作品の本質を表現する事が出来ない。 内面を描こうとすると、どうしてもナレーションや討論場面が増えてしまい、 映画にする意味が無くなってしまう。…という事で、映画化は難しいのですが、 この映画も原作のストーリーの表面だけをなぞっただけでした。だから、 「愚かな女が愚かであるという理由で不幸になっていく物語に同情することは できない」(モーム)としか感じないかもしれない。
原作のストーリーを2時間で復習できたのは良かったです^^;

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【 プライド -運命の瞬間- 】

伊藤俊也 監督

私は、法廷映画は理屈っぽい展開が多いのであまり好きではないのですが、 日本映画でここまで法廷映画っぽいものが作れるのかとちょっと驚いた。
…と言うことで、やっぱり理屈っぽいし^^;、4時間弱と長いのですが、その割には飽きさせないでストーリーを引っ張っていると思う。
内容も、もっと片寄ったものを期待(?)していたのだが、案外大人しい。東京裁判の不公平さを訴えたものだが、戦争で苦しめられた女性になじられて返答に窮するなど、自分達が正しいと言い切る気は無いようだ。
前売りが、金券ショップで500円の値が付いていたので、「北京原人」(同300円)並みに興行的には失敗するではないか?と思っていたが、お年寄りの観客が結構見に来ていた。若いちゃらちゃらした客もそこそこ居たのには驚いた。皆んな、結構真剣に見ていたので、失笑したら殴られるかも。と思いながら観ました^^;。

BAZIL氏の感想文もどうぞ。

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【 四月物語 】

岩井 俊二 監督

スワロウテイル」 の岩井俊二監督が「仕事」を離れて「趣味」で作った1時間程度 の掌品。主演の松たか子のOFFの日を使って撮ったらしい。

「東京でひとり暮らしを始めた女子学生のある”不純な動機”と小さな冒険の日々。」 (宣伝用チラシより)。

これが全て。美しい映像と小さなエピソードだけ。良い作品でした。
どうせなら、「不純な動機」すら省略してしまっても良いのではないかと思ってしまいました。
主人公の卯月の描写、劇中映画の「生きていた信長」、武蔵野堂で購入した一條裕子著「わさび」等もツボを押さえてます^^;。

「梅田ガーデンシネマで、竹、松たか子を見よう」という岩井俊二のサインが貼って ありました。松竹梅…^^;。
パンフレットは、小さな冊子5冊で2000円です。高すぎるので買ってません…。

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【 アミスタッド 】

スティーブン・スピルバーグ 監督

実際にあった人種問題関係の裁判を元にした映画。
私が思っていたのと違い、法廷映画でした。アメリカの裁判は、陪審員制度のためか 感情に訴えたり、詭弁を弄したりと、言葉と理屈で話が進んでいくのであまり 好きではない。
この映画も、そのラインで話が進む。黒人解放運動側が勝利する過程は、 当時の奴隷制度とアメリカ人の思想の基盤(自由・平等・民主主義・キリスト教) を理解するのには最適だとは思う。
パンフレットにも書かれていたが、最後にシンケと弁護士とが握手するシーンは、 彼等アフリカ人が、アメリカに「文化侵略」された瞬間でもある訳である。 シンケ達の服装の変化(最初は裸→服を着る→又脱ぐ→最後にはキンキラの服を着る) がまさに文化侵略の過程を如実に表している点から、スピルバーグは意図的に そう演出したと思われる。
「奇麗事は言うまい、ある文化を広めるという事は、元々あった文化を徹底的に 壊滅する事である」。正しい・間違っているという判断は置いておいて、事実として それを記録しようとしたのであろう。

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【 HAMLET 】

ケビン・ブラナー 監督/脚色、シェークスピア 原作

4時間の超大作!!…展開が遅い、舞台劇そのままの舞台構成…、 眠くてしょうがなかった。

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【 銭ゲバ 】

和田 嘉訓 監督

ジョージ秋山の同名コミックの実写化。70年に 制作されたらしい。内容は、ほぼ原作通り。ラストがかなりおとなしくなっていて、 全体のインパクト自体が小さくなってしまっているのが残念である。

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【 Kids Return -キッズ・リターン- 】

北野 武 監督・脚本・編集

『HANA-BI』公開記念に、北野監督作品特集をしていたので、一緒に見ました。 こっちの方も、面白かったです。
学校をドロップアウトした主人公とその周辺の人々の夢と希望と努力と怠慢と挫折の 物語。そして、ラスト「僕達、もう終わっちゃったのかな?」「馬鹿、まだ始まってもいねぇよ」。
挫折したボクサーの「ハヤシ」を代表に、ほとんどの登場人物は挫折する訳だが、 北野監督の目はとても温かい。それが、素直に伝わってくるのが良かったです。
ただ、『HANA-BI』も含めて、気に入らない事があるとすぐに他人に八つ当たり して暴力描写が入るのが目に付く。若い頃ってそんなもんなのかなぁ。
私は、喫茶店の女性に恋焦がれる純情少年に感情移入してましたから^^;、彼の大事に していた人形が不良に壊される場面は、涙ぐんでしまいました。

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【 HANA-BI 】

北野 武 監督・脚本・編集・挿入画

第54回ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞作品。
私は、今まで北野監督作品は『その男、凶暴につき』と『あの夏、いちばん静かな海。』位しか見てないし、どちらもほとんど印象には残っていません。
で、今回の作品。内容は、画面が久石譲の音楽に負けているな、とは思いましたけど、 良かったです。精神が病んでいる妻を主人公が暖かく包みこむ構図は、竹中監督の 『
東京日和』とも似ているな、と思った。 そういえば、サントラの表紙がどちらも「ひまわり」なのも偶然の一致なのかな?
ただ、後者は妻との思いを胸に生き続けるのに対し、こちらは妻と共に心中してしま います。過激な言説で鳴らす「ビートたけし」が、こういう日本人受けする内容のもの を作るというのが、意外と言えば意外である。
後、北野監督が絵を描くと言うのも今回初めて知りました。随所で使われています。 とても、上手い。「天使」が基本モチーフのようですね。

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【 ラブ&ポップ 】

庵野 秀明 監督(新人)

村上龍の同名小説の映画化。
ともすれば、映画化に伴って原作の味や毒が削ぎ落とされてしまい、 平凡なTVドラマのような物になってしまう所を、庵野監督お得意の こだわりのあるエキセントリックな画面構成とカット割り、独特の 心理描写により、見事な作品に仕上げている。
役者と監督との関係なんかを想像しながら見るのもまた面白い。
グッズコーナーには、ウエハラのコスプレセット(北京原人Tシャツ+タオル) なんてものも売ってました。庵野監督の発案なんだろうなぁ^^; 売れるとは思えんが…。

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【 虹をつかむ男 -南国奮斗篇- 】

山田 洋次 原作・監督

シリーズ2作目。但し、前回の続きではないようです。オデオン座の位置が 徳島から九州になっていたり、「りょうくん」の家がマンションから 「平山工務店」になっていたりする。3作目は、オデオン座が岩手県辺りに なって「北国人情篇」とかになるのかもしれない。
内容は、真面目に観た事無いけど『男はつらいよ』シリーズと似てるん じゃないかな。「寅さん」+「映画へのオマージュ」って感じ。 日本人受けするでしょう。私も楽しんで観れました。

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【 TITANIC(タイタニック) 】

ジェームズ・キャメロン 監督

タイタニック号の悲劇を最新のSFXを使って再現した派手な映像と、 主人公とヒロインとのラブロマンスとをミックスさせた3時間強の大作。 見所が一杯で飽きさせない。ただ、ドラマよりも映像優先な点と現代部分の 物語があまり意味が無かったのが、難点と言えば難点。
タイタニック号の船首の柵に登って、夕日を眺めながらキスをするのって、 ロマンチックで良いですよね*^^*。

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