ネット『ペポ』8号
縁(えにし) NO.164 さとひでまたけ サジタリウス放送開始の年、私はちょうど13才になったばかり。周りは大 人を意識しはじめてアニメは卒業、又は色眼鏡で見る雰囲気の中でただひたす らまっすぐにいろんなアニメを楽しんでた。もちろんサジタリウスのあの特徴 的なボディにして個性豊かなキャラクター、生活臭あふれるストーリーにはど っぷりはまってかかさず見ていたっけ。しかし、“エーまだアニメ見てるの” という暗黙の空気の中では、面白さを伝えるのがとても恥かしく思った年頃だ った。 もし、その時恥かしいと思うだけならば今ここにこんな話を書くことはない。 あの頃人見知りが殻をやぶってファンクラブに入るという行動を起こしたのが 始めで、気付けば私の人生は“サジタリウス抜きでは成り立たない”ものにな っている。サジタリウスを通してさまざまな人と出会い、生き方を教えてもら い、進路もきめ、今の夫と出会い、気付けばトッピー家とよく似た家族を作っ て(一女一男年令もちょうどリブ、フェローと同じ)暮らしている…。その点 だけでもサジタリウスは私にとり、数あるアニメ作品の中でも縁深いものであ る。 サジタリウスの良さは皆様すでに了承済みであろう。ありがたいことに、今 ではビデオやDVDで再び観ることができるので、放送当時を知らない方にも 自ら知ってもらう機会がある。どんどん人とのつながりが増えていくことだろ う。 今年に入ってようやく心から楽しめる作品に出会って子供と一緒に見ている。 サジタリウスを見ていた時と、同じ気持ちで。違うのは心と体が大人になった ことと共感できる家族の存在。近いうち皆でサジタリウスを観なおす予定。き っと古い作品と新しい作品が私にまた新しい“縁”をつむいでくれることだろ う。 サジタリウスに会えて善かった。そして「ペポ」読者の皆様に会えて善かっ た。またお会いできます日を願って。 さとひでまたけ
「宇宙船サジタリウス」の思い出 NO.131 筆名前 1986年3月28日(金)。当時、私は高校入学を控えた中学生だった。 普段なら、金曜日は塾があるのだが、その日はたまたま休みだった。 私は、久しぶりの『ドラえもん』を楽しんだ。その後の番組として始まった のが、誰あろう『宇宙船サジタリウス』だった。 主人公たちが宇宙服姿で踊るオープニングを見て、「わっ、ムーミンのSFだ!」 と大声で笑い出してしまったのを覚えている。 その時の話が、「ムー大陸の謎」編のクライマックスである第12話であった。 正義の心を求めて修行するジールス。そして、少しの穢れさえも認めようとしない 「純粋な」モック族。そして、シビップの変心。それらの謎が気になって、次の週は、 塾に行っている間にビデオ録画することにした。 そして、衝撃の第13話。 「自分の事しか考えない愚かな人間」と主人公たちを糾弾するラ・ムーに対して、 「それで良いんだ」「完璧じゃないけど、何とかやっていける」「皆んな誰かを愛している」 というメッセージは、思春期の私の心に計り知れない衝撃を与えた。 あれから、17年…。流石に、当時の衝撃は年々薄れていっている。だが、 決して消え去ることは無いだろう。 ♪ もしも どこかで見つけたなら 欠片だけでも持って 帰れよ ♪ ♪ ああ、夢見る喜び 再び ああ、夢見る幸せ 再び 夢光年 ♪ --- ohkubo.toshihiro@nifty.ne.jp