ネット『ペポ』5号
---------------------------------------------------------------------------- > 2.お名前 さとひでまたけ > 5.印象的なキャラクターまたはストーリー 好きなキャラクターは、ラナ。関西弁をしゃべるから。 ナラのおおらかな性格もいい。 ----- 新作ストーリー・アイデア ----- ------------------------------------------------------------ −30年後のサジタリウス− by. さとひでまたけ H13.8.31 1.あれから30年。宇宙便利舎は、何度かの倒産の危機をのりこえ、 10年前に育児から解放されたピートの経営参入により業績が好転。女 性ならではの木目細やかなサービスと他社が嫌がる近距離少量輸送の取 り組みが人気を呼び、中小企業業界では一、二を争う会社に成長してい る。 現在、便利舎はには会長のピート、社長のトッピーを中心に、10人 のクルーが働いている。残念ながら、便利舎の創業者で、トッピーのよ き理解者であるラナは引退している。トッピーも、ラナが引退と同時に 実務(乗船)からは引退。サジタリウス号(以後“サジ号”)の処分後 は一度も船に乗らなくなった。ピートが商談をまとめる傍ら、事務やク ルーの管理にいそしむ。彼自身結構この状況に安楽している。 クルーは2人組みで小型宇宙船に乗って働く。社内で業績が高いペア はリブとソラ。トッピーの長女とラナの末息子のペアだ。 活発でやり手のリブは父親トッピーの悩みの種。おしとやかな花嫁さ んにと願う父をよそに、宇宙を自由に飛びまわり顧客数はNo1。営業 職が大好きで、結婚なんか眼中にない。 それに対しソラは冷静な判断とカンの良さでピカイチの船乗り。リブ には口では負けてばかりだけど、腕の良さで幾度の危機をのりこえてき た頼もしい人材。 2.ある日、リブとソラは会長・社長には内緒でひとつの依頼を受ける。 それは “A星(仮称)に私を送りとどけてほしい” A星は未開の星。これまでに最新鋭の宇宙船が何機も探索に出たまま 行方不明になっている無気味なところ。 しかも依頼人は17才の少女。リブとソラの友人、そしてアンとジラ フの愛娘アランだった。 “安全第一”がモットーの便利舎にとって、まして少女を危険にさら す行為は信用問題に関わるため決して受けるべき仕事ではない。しかし … リブとソラは出航記録にこうのこし、アランを乗せてA星に旅立った。 「X月X日X時X分。A星に女性一名を送迎するため出航。帰還予定日 時不明。」彼女らの旅の目的や動機はこの時点では明らかにされない。 3.彼女らが出航した後、トッピー達がそのことに気付いたのは夜遅く。 トッピー宅にアンとジラフがかけ込んできたからだ。 今では有名な学者になった2人がトッピーと再会したのは10数年ぶ りのことで、まさかの再会となる。アンとジラフの緊迫した表情と、 「娘をつれもどして下さい!!」との切羽詰った言葉に、まだ帰還して いないリブとソラの存在に気付く。そして3人がA星に旅立ったことを 確認し愕然とする。 A星について知るトッピー、ピート、アン、ジラフ。4人の間に絶望 感が漂う。 4.「あなた、アランちゃんの依頼とはいえ、危険な場所に行く判断を 下したのはリブたちよ。どうにかならないの?」娘の行く先を知り、涙 するジラフとアンを介抱しながら問うピート。 「しかし、今まで最新鋭の船が一つももどらない所…。もちろん僕は 探しに行くさ!!けど僕が唯一乗れるサジ号は今はもうないんだ!どう しようっていうのだい。」怒鳴るトッピー。サジ号級の船は、博物館で すらお目にかかれなくなったのは確か。この冷たい現実が一層4人を不 安にさせた。 「じ、じゃあここには頼めないんですね!!他社にあたりますよ!そ もそもリブさんがこんな依頼を受けたのがいけないんだ!!」 「ジラフ!リブさんは悪くないわ。ごめんなさい。トッピーさん、ピ ートさん…」 絶望の波が4人をはげしくたたきつける中、ピートからひとつの提案が。 彼女は倉庫の鍵を手に、こう言った。 「こんな時がくるかもと、あなたの愛機を残しておいたの。飛べるか はわからないけど…あなた、3人を助けてあげて。今、ラナさんにも連 絡をとったわ」 5人が開けた倉庫には、10数年前に引退し、スクラップされたはず のサジ号が。 「よし!これでA星に行こう。ラナ、君の助けが必要だ。一刻を争う んだ」 「まかしとき!かわいい息子と嫁入り前の嬢ちゃんが2人もいるんや。 やったるで。」 「ぼ、僕も協力します!」 トッピー、ラナ、ジラフの3人は寝食を忘れてサジ号のメンテナンス をはじめ、3日目にして出発できる状態にもどした。 「よし!旅立った3人を探しに僕達も出発するぞ!」「おお!!」 あえて危険なA星に旅立った子供たちを追って、すでに宇宙の冒険か らリタイアした老年期の3人の新たな旅が始まった。 子供たちは何故、理由を告げず行ったのか、そして彼らは無事再会で きるのか…どんな結末が待っているのか。乞うご期待!! ★ 老年期に入る大人の生き様と、若者特有の成長に対する葛藤、親子 関係、夫婦のあり方が問うことが出来たらすてきだと思います。未開の 星、A星へ旅立った子供たち、大人たちが、それぞれの視点で旅を続け、 やがて別の旅をしながらも、お互いの生き方を尊重し、心から支えあえ る関係を再認識する。そして築いていく。ラストでそのことが描けたら いいなぁと。 なせアランはA星へ旅立ったのか。 理由は父親のジラフとの対立です。家族が大事、アランが大事のジラ フが、思春期のアランにとってはとてもうっとおしい存在になっている。 ジラフは育児と家事の経験から、古代文明の家族観について研究し、そ の研究の世界では権威になっています。しかし、一般的には「尻に敷か れた旦那」。そのギャップが一層、アランにはつらい。父親と離れたい。 出来る事なら、過干渉な彼が追っかけてこれないようなところへ。 アンと同じく行動派の彼女は、A星行きを計画します。もちろん、ど んなところか知りません。 A星は核家族化が進み、完全な個人主義の世界です。誰もが1人で 生きていて、死んでいくのが当たり前の世界。それなりの生活の知恵と 生命力がない限りは生きるのが困難なところ。これまでに行方不明にな っている地球の船員は、星にたどり着きながらも、飢えやノイローゼに よって命を落としている。 ちなみに、ラナは70才代前半、トッピーとピート60才前半、ア ン60才なかば、ジラフ50才後半、リブとソラ20代後半から30才 前半という設定にしました。(アランだけは、17才) ------------------------------------------------------------